10年ぐらい前に中野京子さんの『怖い絵』の本を見たときは、キャッチーな題で、そんなに『怖さ』に結びつけなくてもと思ったのですが、
それよりも『絵は感じるままに鑑賞すれば良い』ではなく、『知識があったほうがよい』とするところは同感。
ヨーロッパの宗教画のぶどう、林檎、オリーブ、イチジク等に意味が込められているのとか、
バレリーナの位置付けが現代のそれと違って、当時は・・・などなど、ドガの絵の見方が変わるように、
時代背景や作者の意図をある程度探りながら見たほうが面白いですよね。
上野の森美術館は同じ敷地内の東京都美術館と比べるとこじんまりな企画展という感じですが、
やはり最後のロンドンナショナルギャラリーから来てくれた『レディ・ジェーングレイの処刑』
権力に翻弄された9日間だけの女王
16歳で断頭台へ
圧巻でした。
そしてセザンヌの『殺人』は見てはいけないものを見てしまった衝撃がありました。